無券者 激減?
山梨県内では、令和6年1月1日の漁業権免許切り替えの際に、渓流漁場の現場売りの遊漁料金を前売りの3倍にした2漁協があることを報告させていただきました。
この主旨は、これまでボランティアに近かった監視員の日当を適正化し、監視を確実に行うことで、漁場監視経費を捻出し、無券者を抑制することです。
さて、この2漁協、峡東漁協が3月1日、丹波川漁協が3月15日に解禁し、監視員の巡回状況を聞いてみました。
峡東漁協の監視員一人からは「7人を巡回したが、例年いる無券の人が、全くいなかった。数名から『現場売りが高額になったので、前売り券をしっかり買ってきた』と向こうから話してきた。」そうです。
丹波川漁協でも、監視をした一人は「無券の人は例年4~5人いたが半減したので、現場売りを高価格にした効果があったと思う。2人いた無券の人のうち1名は以前も現場売りを買った人に似ていて、4,500円の現場売りを何も言わずに買ってくれた。多分値上げしたことを知っていたのだと思う。」とのことでした。また、前売り券を購入していた釣り人からは「無券の人からは1万円取っても良かったのに」との声もあったそうです。
現場売りが高額になったことの周知が図られていると共に無券者が減少していると思われます。数字的なものは把握できていませんが、漁期後に無券者の割合を前年と比較し、その効果を確認して行きたいと思います。
現場売りが前売りの3倍に設定されているのは、多分栃木県の中禅寺湖漁協と県内の2組合だけです。つまり渓流漁場の現場売り価格の割合を、全国一高くした漁協は、無券者が減少したと言えそうです。
これまで現場加算金は、ペナルティとしての徴収はダメだという呪縛にとらわれていたようです。このため各県とも前売りの1.5倍、500~1,000円程度の現場加算金としている組合が多かったと思われますが、漁場監視員の手当を適正に加算すれば、かなりの高額の現場売りになるはずです。 → こちらを参照
無券者に持ち去られていた貴重な放流した渓流魚が、有効に活用されることを期待したいと思います。
ところで、『研究者が本当に伝えたかった サカナと水辺と森と希望』という本が出版されました。
サカナと皮に関する興味深い研究や重要な提言、渓流魚を取り巻く問題点を浮き彫りにしています。釣り人、漁協関係者必見の書だと思いますので、是非ご一読下さい。
山梨県の釣り情報|山梨県漁業協同組合連合会
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