記事詳細

アーボリストによるカワウ繁殖抑制

 カワウの生息数は、1970年代に全国で3千羽を下回っていましたが、現在ではその100倍にまで増加しています。1羽が一日に最大500gの魚を捕食するため各地で被害が急増し、河川生態系のバランスが不安定になっています。

 

 

 山梨県では、繁殖による生息数の増加を阻止するため、営巣したカワウの繁殖抑制を進めてきました。従来は水産技術センターのアドバイスを受けつつ関係者がハシゴを登り、擬卵への置き換えやドライアイス処理による発生停止を行っていました。

 

 

 ただしこの方法は、高所作業での危険を伴い、営巣場所が高くなると急激に作業効率が落ちてしまいます。このため、高所作業車を導入し、その改善を図りましたが、高所作業車が進入できない場合には、従来の方法しか対処が困難でした。

 

 

 そこで今回、樹上作業のプロフェッショナルである、アーボリストにこの作業をお願いすることになりました。

 アーボリストとは、樹上で高木・大径木の適正な整枝剪定を行うことで、大きくなりすぎた樹木を伐採することなく育樹・管理し、緑環境の維持を目指すプロです。

 今回お願いしたのは八ヶ岳南麓にある「Annの森プロジェクト」です。代表の安藤義樹氏は、国際的なアーボリスト組織のトレーナーであると共に、森林インストラクターや樹木医のライセンスを持つその世界では著名な人。そのような方が、有り難いことに県内にいらっしゃいました。

 

 

 

 当日は、準備を終えた後、あっという間に樹上に、  

 

 

 ロープを使ってスルスルと上り、数本のロープで体を安定させます。

 思った以上に高い!! とても素人が行ける高さではありません。

 

 

 産卵状況を確認後、ドライアイスを投入しますが、細かい枝もあり、作業は簡単ではありません。

 

 通常の作業とは異なり、カワウの糞で作業のし難いところもあったようですが、素人が木登りして作業するのに較べ、安心かつ迅速に作業は終了しました。

 

 バランスが取れ、持続可能な森と川、鳥と魚が住める環境を目指して行きたいと思います。

 

 

2024年4月5日(金)

山梨県の釣り情報|山梨県漁業協同組合連合会

〒400-0121 山梨県甲斐市牛句518-1
TEL:055-277-7393   FAX:055-277-9922

PAGE TOP ▲