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増殖技術講習会 & 上映会

 7月17日は大忙し、昼から県漁連の理事会、臨時総会、巡回指導員委嘱式、増殖技術講習会、「ミルクの中のイワナ」上映会と怒濤の半日でした。

 理事会では、総会提出議案、県への要望、全内漁連大会への提出議案等について協議を行いました。

 臨時総会では、欠員となった監事を投票により選任しました。

 巡回指導員委嘱式では、県下全域50名の指導員へ委嘱を行い、遊漁のマナーやルールについて指導するべき事項の説明を行いました。

 

 

 そして増殖技術講習会です。漁協の巡回指導員ほか関係者に加え、国と県の土木技術者とコンサルタントの方々がプラス40名増え、参加者は100名近くになり会場はギチギチです。

 

 

 今回は、近自然河川研究所の有川崇先生に「魚類生息に配慮したかわづくりについて」と題し、講演をしていただきました。

 


 講習会での配付資料はこちら 「転載厳禁」です

 

 

 近自然河川工法は、現在国交省が進める多自然川づくりのきっかけとなった考え方です。川は排水路ではありません。人々にとって安全で魚たちも安心できる河川環境とは。

 

 

 近自然河川工法を日本に紹介したのは福留脩文さん。その亡き後は有川さんが第一人者です。豊富な経験と実績に富む話には説得力があります。

 

 

 人数が多かったことから、会場にはスクリーンを2つ用意しました。配線が難しかったけれど、これで後席の人もバッチシ見えます。

 

 

 そのおかげもあってか皆さんに真剣です。

 講演の後は「ミルクの中のイワナ」上映会、監督の坂本麻人さんにもお越しいただき、上映終了後に作品を紹介していただきました、もう少しお話をお聞きしたかったのですが、残念タイムアウトです。

 

 

 ギチギチのスケジュールを設定したのは、実は土木の技術者の方々に考え方や技術を有川さんの講演から学んでいただき、「ミルクの中のイワナ」からなぜそれを私たちがしなければならないのか、気づいてもらえるのではと考えたからです。

 

 その結果やいかに・・・・・。 ご記入いただいたアンケートからは、その思いが伝わったことが十分感じられました。

 

 

 翌日は、有川先生と現地視察&巡回指導です。南アルプスを望む釜無川の信玄堤からは御勅使川扇状地がよく見えます。

 武田信玄の甲州流治水術は今でも健在です。ただしこの日は天気が良すぎて暑い。

 

 

 土木遺産の芦安堰堤は、大正7年竣工の 練積コンクリート造り(下段:重力式,上段:アーチ式)ですが、オーバーハングしているので、かなり怖い!!

 

 

 大武川にある植石斜路の全段面魚道は、かなり上りやすい魚道です。

 ただし、漁場としてのここの問題は、魚が上れず堰堤下に溜まってしまうことではなく、土砂生産量の多さと土砂調節機能により長期に渡り流下する砂、そして床固め工群による河床勾配緩和で淵ができなくなっていることだと思います。 つまり魚が少ない。

 

 近自然河川工法による漁場価値の復元が、期待されています。それを実現するためには河川管理者の協力が不可欠です。今回の講習会と上映会が一つのきっかけになれば大変有り難いことだと考えています。

 

2024年7月29日(月)

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