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浚渫業務 と 石組帯工

 10月26日に第132回の山梨河川研究会が開催されました。今回の参加者は19名です。

 

 

(富士山を遠望する現場)

 

  富士川水系塩川の浚渫業務が行われた箇所へ、環境改善のため自然石を利用した石組帯工が施工されました。

 

 

 

(施工当時の様子)

 根石、力石、うろこ石、そしてアーチの形状も専門家の指導により、丁寧に施工されました。

 

 (施工後の状況)

 

 今春の竣工から数度の増水に合っても、良好な状況を保っています。

 石組帯工の裏にはタルミができ、流れに変化が生じています。石組み帯工による環境改善の効果を確認することができました。ただし・・・・・

 

 

 ここは浚渫業務により、河川敷の中央を直線的にほぼ同一断面で流れる新しい流路上に設置された石組み帯工です。

 

(施工時の状況)

 

 

 

 このため、新しい流路の礫径は小さく、深い淵や浅いワンドもない状況です。礫径は竣工直後よりかなり大きくなっていましたが、それは土や砂などの細粒分が下流へ流出したということでもあります(増水時の土砂移動であれば問題ないが、平水時にも移動堆積した可能性が大きいと思われます)。

 

 巨石は埋めることなく移動し、加えて帯工の設置や投石による河川環境の改善を図っていただき、大変有り難いことではあるのですが、8割下げて1割戻す様に感じてしまいました。

 

 塩川では河床低下傾向が強く、現地でも護岸の根が浮いたところもあり、護岸の崩壊を未然に防ぐための対応が必要であったことは理解できるのですが、問題箇所の根継ぎ、床固ブロックや水制工の設置により深みを保存しつつ、流路全体でない部分的な改修により対応することで、旧流路を保全することができれば大変有り難かったのだと思います。

 

 

 (水制工の設置により護岸の洗掘を防止し、淵を保全した事例)

 

 現地説明の際には、別添資料に基づきそのことを説明させていただきました。

 

 多自然川づくりの発想に基づく石組み帯工の設置する姿勢については高く評価されるべきです。少し厳しい言い方になってしまいましたが、今後の更なる改善のため、漁協関係者の期待の高さを表していることとして、ご理解いただければ有り難く思います。

 

 さて、河川研究会終了後に、河川技術者へ環境保全について話す機会を作っていただけるとの連絡がありました。

 引き続き安全で楽しい山梨の川づくりのため、関係者と連携を図っていきたいと思います。

 

2024年10月30日(水)

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