漁場環境保全の活動 その4
富士川の水質環境保全のため、今回は漁連関係者のみで、令和3年6月9日に雨畑川と早川本流の状況を巡視しました。
○ 雨畑川合流地点の状況
早川本流は清冽でしたが、流入する雨畑川の透視度は目測で10cm程度しかなく、これより下流の早川は富士川へ合流するまでずっと濁っていました(一番最後に添付した水系図を参考にして下さい)。
○ 雨畑ダム湖
流入する雨畑川の透視度は目測で10cm以下でした。大きな崩壊地を有しダム上流で流入する御池の沢の水はきれいで、崩壊に伴う濁りは認められませんでした。また、さらに上流から取水している東京発電の雨畑発電所が稼働していて、清冽な水がダム湖内に放水されていることから、ダムから下流の濁りはやや薄まっていました。
御池の沢合流より上流の雨畑川 酷い泥濁り
○ 濁りの発生原因
雨畑川支流稲又谷川の堰堤上でバックホーが作業を行っているのが遠くから確認されました。この稲又谷川の上流では昨年7月に大規模な崩落があり土石流が発生し、大量の土砂が下流に押し出されています。ただし、今回は水が濁る時と濁らない時があったことから、発生原因は崩落ではなくこの復旧工事によるものと推定されました。堰堤上でバックホウが作業中。
バックホーが止まって少しすると、濁っていた水が急速に澄んできた。コンクリートの施設は昨年の土石流で破壊された取水施設。
○ 濁りへの対応
そこで当日帰所後に関係機関へ連絡し、濁りの発生に注意して作業を行うよう、施工業者へ伝えていただきました。それ以降濁りの発生は極端に減少し、本流でもかなりきれいな状況が継続しています(下図参照)。関係者の方々の迅速な対応に御礼申し上げます。
出展:早川町防災カメラ 令和3年6月13日午後6時の映像
https://www.town.hayakawa.yamanashi.jp/livecamera/hayakawa.html
早川のある南アルプスは世界でも有数の隆起地帯であり、多数の崩壊地がある土砂生産の多い川です。早川で発生している濁りについては、これら崩落により発生した濁りに加え、河川工事、砂防工事、砂利採取、河川内仮設道路の流出、発電用取水施設からの排砂等、いろいろな事象が関連しています。このため、濁りの原因が1つではなく複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられます。山梨県漁連では富士川水系に清冽な流れを取り戻すため、引き続き関係者と連携しながら改善を進めたいと考えています。
山梨県の釣り情報|山梨県漁業協同組合連合会
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