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漁場環境保全の活動 その13 荒川における環境改善

 荒川における環境改善については、このシリーズの「その10」で、打合せの状況等を報告しましたが、その後105日、12日に現場立会をして、修正を重ねながら完成したところです。

浚渫業務に付帯した環境整備とすれば、良好な仕上りだと思うのですが、この現場を山梨河川研究会の面々が1016日に現地視察を行うことになりました。


山梨河川研究会は、平成12年「若い河川技術者があまりに実際の河川や工事現場を知らない。ついてはとにかく川を歩こう」ということで始まったそうで、2ヶ月に1回県内河川の現場を視察し意見交換、真夏と真冬は室内で勉強会と懇親会を行っています。

正式な規約も会費も無く、参加は自由ということで、会員数は約60名、毎回の参加者は1020名(県土木:6割、山梨大:1割、コンサル等:3割)とかなり緩い集まりです。「土木は経験工学なので色々な事例を見て何が悪かったかを考え、良い川づくりを目指す」ことを皆さん前向きに考えていて、防災一辺倒ではなく環境の視点からも検討が行われます。当日は第117回の会合で約30名が参加しました。


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 発注者の中北建設事務所の説明を聞きながら、改修の状況を視察します。


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投石により縦断的変化をつけ淵と瀬を形成させていて。これについて皆さんの評価は高かったです。ただし、水際を石で固めない方が良いとの意見もありました。

 

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流路をやや左右に振ってはいるものの、大きく蛇行させることは護岸を侵食する可能性があり困難なため、かなり直線的な形状になっています。

 
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視察の最後に参加者全員が一言視察の感想を述べます。

 

環境に配慮した施工したことに対し、好意的な意見が多くありました。ドローン等を活用し継続的にモニタリングを行うことが複数の方から提案されましたが、既にモニタリングを実施する方針は決まっていたようです。


山梨大学名誉教授の砂田先生から、十分安全を確保した上で、出水時の状況を実際に見ることが技術者として重要であるとの意見がありました。また、山梨大学の大槻先生からは、河床勾配が1100あるので、平面的に流路を振るよりは縦断的に変化をつける方が、環境改善には効果的だろうとの話がありました。

 

後日、この意見を踏まえて、最終の修正が行われ、河川環境は更に良くなりました。最終的には出水を何回か経験し、この形も変化して荒川自身が成りたい姿になるのでしょう。皆さんの協力により、その時までの環境を、少しでも良くすることができたと考えています。

 

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横断的な石積みにより作られたステップ アンド プールが流路に変化を生じさせている。オペレーターの方のセンスも中々のものです。


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 堰下の大きいプールも水がたまりやすいように調整されました。

 

最後に何度も何度も修正していただいた、施工業者の羽黒工業さん、ご面倒をお掛けしました。そして、積極的に環境改善に取り組んでいただいた、中北建設事務所の技術者の皆さん、有り難うございました。次回のさらなる環境改善のステップアップを期待しています。

2021年11月4日(木)

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