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漁場環境保全の活動 その15 第5回合同パトロール

  合同パトロールも129日で5回目になりました。砂利採取工場へ5月に行ってから半年経過したので、今回はこちらをもう一度巡回します。加えて、稲又谷川の土砂の状況、草塩橋での河川工事と今回も盛りだくさんの合同パトロールです。

 

 

○ 雨畑川と稲又谷川の状況

雨畑川と早川の合流点では、どちらの水も笹濁りの状況です。12月7~8日にかけて早川流域で約20mmの降雨があったことが影響しているのかもしれません。

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雨畑川合流点 左が早川、手前が雨畑川

 

 雨畑川の濁りの発生箇所を確認するため、上流へ向かいました。雨畑ダムを更に遡り、濁りの発生場所となっている稲又谷川の稲又橋で状況を確認しました。すると水はきれいです。透視度を測ってみると30cm以上ありほとんど澄んでいます。

②.JPG

 

 ただし、河原を見ると土石流で堆積した土砂が、増水時に削られてできたであろう段差が散見されます。この時の流路は落ち着いていましたが、少しでも水位が上がると容易に土砂を引きずり出していくことが推察されます。それではどこが濁っているのでしょう。下流へ下ってみます。

③.JPG     稲又谷川が雨畑川に合流し、雨畑ダム湖に入る前の透視度は、24.9cmで、やはり流下途中で濁りを自然に巻き込んでいるようです。そして、表層の水は意外ときれいなのですが、河床付近が濁ったように見えます。水中を砂泥が流下する浮遊砂の状態ではなく、河床近くを砂泥が移動する掃流砂の状態で、土砂が移動していると思われました。④.JPG    水が濁っているというより、川底の砂がサラサラ、ズルズルと動いているような状況です。

 

 場合によっては、雨畑ダム湖内で行われている土砂搬出作業に伴って生じる濁りが加わると思います。今回は早川本流もやや濁り、雨畑川も同じような感じであったことから降雨により生じた濁りと考えられましたが、引き続き流路に触れるような作業には注意をお願いしたいと思います。

 

○ 砂利採取工場の巡視

 早川流域にある4箇所砂利採取工場の排水処理の状況を県峡南建設事務所身延支所、富士川漁協と共に確認してきました。

 

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 写真右側の処理前の水はドロドロですが、処理後の左側の水はかなりきれいです。最終の沈殿後の上澄みが早川に放流されますが、そこの透視度は30cm以上あり良好な状況でした。

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河川への放流状況。前の写真とは別の場所です。ここの流量は目測で10㍑/秒と早川本流の水量に比べ少ない量ではありましたが、透視度は15.3cmとやや低い値でした。汚濁の負荷量としては小さいものかもしれませんが、もう少しきれいになってくれると有り難い数値です。

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  また、別の砂利採取工場の沈殿池では、干し上げている泥の一部が場内の水路に流れ出していました。降雨時には流れ出してしまうことから、早急な改善をお願いし、了解されました。⑨.JPG
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しかし、どこの砂利採取場も砂利洗浄汚泥が沢山貯まっていました。この処理について関係者は色々検討し、試験も行っているようです。ただし、現時点で有効な解決策はなく、この処理が一番の問題点だと感じました。以前にも述べましたが、砂利採取事業は、早川町の重要な産業です。産業の継続と環境保全の両立を図るため、関係者が親身になって汚泥の処分方法を検討することが必要なのだと思います。

2021年12月22日(水)

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